会計ソフトは慎重に選ぶ必要があります。なぜか?
理由は一度会計ソフトを使い始めると乗り換えることが難しいからです。利用年数が長くなるほど乗り換えは難しくなります。
というのも、会計ソフトの帳簿データは日々蓄積されていくので「来月からこっちに切り替えよう」なんて気軽にできないわけです。
そこで、後悔しないための会計ソフト選びのお手伝いをしたいと思います。
Contents
白色申告にメリットなし!確定申告は青色申告で
白色申告は税務署に開業届を提出する必要がなく、記帳方式も簡易な方法が可能です。それに対して青色申告は税務署に開業届を提出し青色申告承認申請書を提出する必要があります(用紙を提出するだけ)。
青色申告が面倒だと感じて白色申告で済ませる方が多い理由は記帳方式と確定申告書類、帳簿が複雑だと思っているからでしょう。
\ | 白色申告 | 青色申告(簡易簿記) | 青色申告(複式簿記) |
---|---|---|---|
事前の申請 | 不要 | 開業届・青色申告承認申請書 | 開業届・青色申告承認申請書 |
記帳方式 | 簡易な方法 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
確定申告書類 | 確定申告書B | ・確定申告書B ・青色申告決算書 | ・確定申告書B ・青色申告決算書 |
帳簿 | 簡易な記載の帳簿 | ・現金出納帳 ・売掛帳 ・買掛帳 ・固定資産台帳 ・経費帳 | <主要簿> ・総勘定帳 ・仕訳帳 <補助簿> ・現金出納帳 ・売掛帳 ・買掛帳 ・固定資産台帳など |
控除額 | 10万円 | 10万円 | 65万円 |
この比較表を見ていただければ分かるとおり、青色申告・複式簿記で記帳すると控除額が65万円になります。白色申告の場合は10万円の控除になるのでその差は歴然ですね。
どうせだったら65万円の控除を受けた方がいいでしょうから、どうしても白色申告でないと嫌だという場合を除いて青色申告の複式簿記を選んだ方がいいです。
ただし、簿記の知識がない方がいきなり複式簿記で帳簿を記帳しろと言われても無理な話です。そこで、ソフトウェアを利用して帳簿を付けることをおすすめします。
わたしも簿記の知識は皆無でしたが、無理なく帳簿をつけて自分で納税しています。
会計ソフトといえば「やよいの青色申告オンライン」と「freee会計」が多く利用されています。そこで、このふたつの会計ソフトを徹底的に比較してみようと思います。
やよいの青色申告オンラインとfreee会計の特徴
やよいの青色申告オンラインはシェアナンバーワン、16年連続売り上げナンバーワンの会計ソフト
「やよいの青色申告オンライン」は弥生株式会社が提供するクラウド式会計ソフトです。
「弥生会計」はどこかで聞いたことがあるはずです。それもそのはず、30年以上も前からスモールビジネスの世界で利用され続けている会計ソフトで、弥生株式会社はこの業界では老舗です。
新興企業で勢いのあるfreee会計
「freee会計」はfreee株式会社が提供するクラウド式会計ソフトです。
freee株式会社は2012年創業の比較的新しい会社ですが、ソフトウェアの使いやすさなどを武器にフリーランスを中心として利用者数を伸ばしている会社です。
やよいの青色申告オンラインとfreee会計の比較
やよいの青色申告オンラインとfreee会計について価格や機能について比較しました。価格はすべて税抜価格です。
比較項目 | やよいの青色オンライン | freee会計 |
---|---|---|
無料期間 | 初年度無料(セルフプランのみ、他のプランは半額) | 30日間 |
初年度 年間利用料金 | 0円(セルフプラン) 6,000円(ベーシックプラン) 10,000円(トータルプラン) | 11,760円(スターター) 23,760円(スタンダード) 39,800円(プレミアム) |
2年目以降 年間利用料金 | 8,000円(セルフプラン) 12,000円(ベーシックプラン) 20,000円(トータルプラン) | 11,760円(スターター) 23,760円(スタンダード) 39,800円(プレミアム) |
口座連携 | ◯ | ◯ |
請求書の作成 | 請求書サービス(Misoca)で対応 | ◯ |
消費税対応 | ◯ | ❌:スターター ◯:スタンダード ◯:プレミアム |
レポート機能 | ◯ | ❌:スターター ◯:スタンダード ◯:プレミアム |
メールサポート | △:セルフプラン(製品操作以外) ◯:ベーシックプラン ◯:トータルプラン | ◯ |
電話サポート | △:セルフプラン(製品操作以外) ◯:ベーシックプラン ◯:トータルプラン | ❌:スターター ❌:スタンダード ◯:プレミアム |
やよいの青色申告オンラインの「セルフプラン」なら初年度無料
注目するべきは”やよいの青色申告オンライン”の「セルフプラン」ならば初年度無料で利用できる点です。「セルフプラン」は製品の操作方法や業務相談について問い合わせることができません(別途有償申し込み可能)。
たとえば「これはどのような仕分けになるのか?」といった業務相談はできませんので注意が必要です。
ただし、操作方法はオンラインマニュアルを見れば分かりますし、業務相談もわたしは必要になったことがないので不要でした。途中で業務相談のサポートを受けたくなった場合は有償でのサポートを追加できますから、最初は「セルフプラン」で始めるというのもいいでしょう。
「セルフプラン」以外の「スタンダードプラン」と「トータルプラン」は初年度は半額で利用できます。
手厚いサポートが必要である方はスタンダードプランあるいはトータルプランがおすすめです。
やよいの青色申告オンライン「スタンダードプラン」と「トータルプラン」の違い
「スタンダードプラン」と「トータルプラン」の違いは何かという質問は多いです。簡単にいうと「スタンダードプラン」はやよいの青色申告オンラインの操作方法から業務相談まで電話でもメールでサポートを受けることができるプランです。サポートが必要な方の多くは「スタンダードプラン」で問題ありません。
「トータルプラン」はスタンダードプランに加えてオフィス系ソフトウェアについての質問やパソコンのトラブル対応まで相談に応じてくれます。パソコンの操作に不慣れで納税に不安だという方は「トータルプラン」がおすすめです。
消費税に対応していないfreee会計の「スタータープラン」は厳しい
売り上げが1,000万円に到達すると免税業者から課税業者となり消費税を納める義務が生じます。そうなった場合、freee会計の「スタータープラン」では対応できないので、売り上げが1,000万円を超える可能性があるならば「スタンダードプラン」あるいは「プレミアムプラン」を選ぶ必要があります。
2023年にインボイス制度が始まるため、フリーランスの多くは課税業者となることが予想されます。そうなると「スタータープラン」では対応できませんから、freee会計を利用するのであれば 「スタンダードプラン」あるいは「プレミアムプラン」を選ぶ必要がありそうです。
年間利用金額では”やよいの青色申告オンライン”が有利
サポートが不要な方であれば2年目以降8,000円で利用できる青色申告オンラインの「セルフプラン」が値段も手頃で必要な機能はすべて備えているのでおすすめです。
freee会計の「スタータープラン」は消費税に対応しておらず実質的に使えないので「スタンダードプラン」を選ぶ必要がありそうですが、freee会計の「スタンダードプラン」は23,760円と高額なため選ぶのに躊躇してしまいそうです。
やよいの青色申告オンラインであれば2万円出せば「トータルプラン」が利用できるので、年間利用金額で比べるとやよいの青色申告オンラインが有利です。
まとめ
やよいの青色申告オンラインとfreee会計はどちらも優れたサービスですが、個人的な感想ではやよいの青色申告オンラインを選んだ方がいいのではないかと思います。
理由はやよいの青色申告オンラインはプランによる機能差がなく、価格が手頃であること。そしてシェアナンバーワンのため周りに利用者が多く操作方法などの情報が有償サポートがなくても手に入るからです。
実はわたしもフリーランスになってから一貫してやよいの青色申告オンラインを利用しているのですが、老舗の会計ソフト会社が開発しているだけあって操作性も機能も優れているので、これで年間8,000円ならば安いと思っています。
一度会計ソフトを使うと乗り換えることが難しいのでよく検討して選んでいただきたいと思います。